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これは、日頃の裁判傍聴の中で実際にあったお話をもとにしています
第1回
 今日の刑事裁判は証人尋問でした。事件の内容は30才ぐらいの女性が盗難されたクレジットカードを人からもらい、それを使って換金目的で宝石を購入しようとして、現行犯で捕まったというものです。
 被告人も詐欺未遂は認めています。有罪・無罪を争うわけではありませんので、証人は刑罰の軽減、情状酌量を求めるために出廷したのです。
 その証人は被告人の夫ということでした。彼は、家庭の経済状態が苦しいこと、被告人が精神的な病を持っていることや夫も障害者一級の身体で常時仕事につけないこと、生活費に充てるためにカード詐欺をしようとしたこと、小学生の子ども二人の面倒は夫がみていることなどを証言しました。それはそれは、たいへんな環境に夫婦が置かれているのでしょう。
 裁判官は、どのような心証を持ったのでしょうか。当事者にとっては必死の思いの証言なのでしょう。先日、傍聴した裁判では、情状証人の調べが終わって、即日結審した例がありました。「夏休みが入り、次回期日まで時間がかかりますから、今から判決を言い渡します。」と言って、すでに作成していた判決文を読み上げました。すでに判決文ができていたとしか思えません。では、今日の、あの情状証人調べは、なんだったのでしょうか。それにしても、今日の裁判が気に掛かります。適正な審判を期待したいものです。
 余談ですが、証人が宣誓をする際に、右手を上げようとしましたが、事務官があわてて止めました。やはり、テレビドラマや洋画に影響でしょうか。
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