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これは、ある主婦が交通事故に遭遇し、不当な相手に本人訴訟を挑んだお話しです
第4回「和解決裂そして弁護士の逆襲」
 さすが3回めの法廷ともなると、舞い上がることもなく、心地よい緊張感に包まれます。いつものように呼び出しがあり、法廷内に入りました。
 法廷の椅子に座るなり、裁判官が「部屋を替えてお話ししましょう」とおっしゃいます。裁判官のとなりに座っている司法委員という人と相手の弁護士さんと2階にある調停センターの一室に移りました。わたしと弁護士さんは別々に司法委員とお話しをするのですが、裁判官は来ていません。なにか面談をしているようなカンジでした。
 そして司法委員とのお話しの内容ですが、いきなり「いくらなら和解しますか?」です。眼が点になるとはこのことです。事故の内容などそっちのけで、とにかくお金で解決しようとしているのがアリアリです。所詮、この手の事件は最後はお金で解決するのが当然なのでしょうが、両者の過失の有無など事故の実態を解明しないでいきなり「いくら欲しいの?」と言われても困ってしまいます。
 とにかく相手のドライバーを証人尋問という形で法廷に呼んで、事故の実態を解明し、お灸をすえてやろうと思っていたのですから、司法委員の申し出には「金額ではなく相手に過失を認めさせたい」とお答えしました。
 その日の和解が成立しなかったのは、いうまでもありません。
 それから1ヵ月後、4回めの法廷です。相手側から提出された準備書面には、いろんな理屈が述べられたあげく末尾に「原告の本訴請求は失当である」と書かれていました。つまり、裁判する理由がないヨと言われたわけです。裁判官もそれを支持する感触を持っているように見えてしまい、わたしは動揺してしまいました。
 「もしかしたら裁判を却下されてしまうかもしれない!」・・・
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