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これは実際に無免許運転で起訴された若者のお話しです
第2回「執拗に続く尋問」
 実刑を避けようとして控訴した被告人に対して、検察官の執拗な尋問は続きます。
 被告人は贖罪寄付(しょくざいきふ:罪を償う気持ちをあらわすための金銭的寄付)を法律扶助協会に行う予定であることを法廷で述べたのですが、検察官いわく「どうして法律扶助協会に寄付するのか。君は法律扶助協会の内容を知っているのか。あそこは裁判を起こす人の援助をするところであり、それよりも寄付すべきところがあるだろう。無免許運転や無謀な運転で毎年たくさんの人命が失われているのだから、交通遺児の団体とかに寄付することもできるんじゃないか。しかも、君は実際にまだ贖罪寄付をしたわけでもないじゃないか。」そして、とうとう・・・
 「法律扶助協会に贖罪寄付するのもいいが、君が控訴したおかげで国はそれなりの経費がかかっているのだぞ。わかっているのか。」ここまでくると、検察官の発言は被告人の裁判を受ける権利をまるで無視しているかのようです。被告人もなんと答えてよいかわからなくなり、ただただ困惑しているようでした。「控訴するしないは被告人の勝手でしょ。どこに贖罪寄付するのも勝手でしょ。」と弁護士はどうして被告人に助け舟をださなかったのでしょうか?
 徐々に被告人が涙声になってきました。
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